モバイルバッテリーの発火事故が急増中——リチウム電池の危険性と、「安全設計」で選ぶ2026年の人気モデル

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ここ最近、モバイルバッテリーの発火事故のニュースをよく見る。2026年1月には東京メトロ日比谷線の車内で発火して騒ぎになったし、「カバンの中で急に煙が出た」みたいな話も増えてる。自分もモバイルバッテリーは毎日持ち歩く(メインは1年以上使ってるUGREENの145W)ので、正直まったくの他人事じゃない。

この記事では、なぜ事故が増えてるのか / リチウム電池はなぜ燃えるのか / 安全に選ぶポイントを整理して、最後に「安全設計」で選べる2026年の人気モデルを比較表つきで紹介する。煽らずに、でも知っておいた方がいい話。

数字で見る:モバイルバッテリー火災は本当に増えている

感覚じゃなくてデータでも増えてる。総務省消防庁によると、リチウムイオン電池などから出火した火災の件数はこう推移してる。

リチウムイオン電池等からの出火件数
2022年 601件
2023年 739件
2024年 982件
2025年 1,297件

3年で倍以上。しかも気温が上がる6〜8月に事故が増える傾向がある(高温放置が引き金になりやすい)。回収率が低い(2割程度)のも問題で、消防庁は2026年6月に「リチウムイオン電池総合対策ポータルサイト」も公開した。

リチウムイオン電池はなぜ燃えるのか

ざっくり言うと「熱暴走」という連鎖反応。落下の衝撃・高温・内部のショート・過充電などがきっかけで一部が発熱すると、それが可燃性の液体電解質に燃え移り、隣のセルへ次々と連鎖して一気に発火する。一度始まると止めにくいのが厄介なところ。だから「きっかけを作らない設計」と「使い方」の両方が大事になる。

安全に選ぶ5つのポイント

  1. PSEマークがあるか——日本の電気用品安全法の基準。無い製品は避ける。「日本製」「国内品質」はPSEの代わりにならない。
  2. 信頼できるメーカーか——保護回路の中身は型番や製造国だけでは分からない。実績のあるブランドを。
  3. 容量は用途に合ってるか——大容量ほど発熱もリスクも上がる。オーバースペックを避ける。
  4. 保護回路・BMSがあるか——過充電・過放電・過熱・ショートを止める仕組み。
  5. 電池の種類(化学)は何か——ここが今回いちばん伝えたいポイント。次で解説する。

「燃えにくい電池」は今こんなに種類がある

調べてみて驚いたのが、「安全な電池」の選択肢が一気に増えていること。大きく分けて3つの新素材+従来型の設計強化、という並びになっている。

① リン酸鉄(LiFePO4)—— 化学そのものが燃えにくい、が重い

いちばん安全寄りなのがリン酸鉄リチウム(LiFePO4)。酸素の結合が強く、過充電や短絡でも熱暴走しにくいうえ長寿命(約1,000〜2,000サイクル)。
弱点はエネルギー密度が低く、重い/かさばること。今回集めた実数でも、リン酸鉄12000mAhが約310gなのに対し、後述の準固体10000mAhは約182g。安全性を取ると重量効率が落ちるのがはっきり出た。ポケット用のリン酸鉄は20W級・1〜2万mAhの小型が中心で、大容量帯はポータブル電源に移っている印象。「安全最優先、多少重くてもいい」なら本命

② 半固体・準固体 —— いま急速に主流化、選択肢が一番多い

電解質をゲル状にして、液漏れ・発火が起きにくいのが売り。エレコム・CIO・オウルテック・バッファロー・Philips・TORRASなど各社が出していて、安全素材の中で選択肢が一番多い。リン酸鉄ほど重くならず携帯性と安全のバランスが良いので、正直いま一番おすすめしやすい枠。

③ ナトリウムイオン —— リチウムを使わない第3の道(変化球)

エレコムが「世界初」をうたうナトリウムイオン電池のモバイルバッテリーも出てきた。リチウムもコバルトも使わず、-35〜50℃の広い温度域で使えるのが特徴。ただし現状は重量効率もレビュー評価もまだこれからなので、いま積極的におすすめというより「こういう方向もある」という第3の選択肢として見ておく感じ。

④ 従来型リチウムイオン+設計で固める

Ankerは2026年に新電池NLB(Neo Lithium-ion Battery)を発表しているが、国内で買える搭載モデルは現時点で確認できなかった(名称違い/未展開の可能性)。とはいえ従来型でも、PSE適合・保護回路・難燃性の筐体といった設計で安全性は担保できる。エネルギー密度が高く軽い・安いのが強みなので、実績あるメーカーなら十分現実的。

大前提として、どのタイプも「絶対に燃えない」わけではない。強い衝撃・高温・内部短絡・製品不良では発煙・発火の可能性は残る。化学で選びつつ、使い方もセットで気をつけるのが正解。

おすすめモバイルバッテリー比較表(2026年)

商品名 電池の種類 主な安全対策 容量 重量(目安) 価格(目安)
オーム電機 SmartComm(SMP-JV681) リン酸鉄(LiFePO4) PSE適合を明記/過充電・過熱・短絡保護 10,000mAh 約200g※ 約2,800円
オウルテック(OEC-LPB10024) 準固体 PSE認証をタイトル明記/残量1%表示 10,000mAh 約182g※ 約5,000円
CIO SMARTCOBY TRIO SS 半固体 電解液10%以下を開示/液漏れ・発火リスク低減 20,000mAh 約355g 約11,000円
エレコム(EC-C62MN) 半固体 電気用品安全法適合を明記/約2,000サイクル 20,000mAh 約405g 約9,500円
エレコム(EC-C27LBK) ナトリウムイオン リチウム/コバルト不使用/広い温度域 9,000mAh 約350g 約6,500円
UGREEN 145W(PB205)★実機 リチウムイオン(特記なし) PSE取得・保護回路・残量表示 25,000mAh 約505g※ 約15,000円
Anker 25000mAh 巻取り式 リチウムイオン(特記なし) 保護回路(メーカー標準の安全設計) 25,000mAh 約595g 約15,000円

※印の重量はAmazon掲載の登録値で、梱包込みの発送重量の場合があります。重量・価格は2026年8月9日時点の目安で、公称値・最新価格はリンク先でご確認ください。

意外と大事:PSEマークの確認のしかた

今回いろんな製品ページを見て気づいたのが、PSEマークの明記が製品によってバラバラだということ。国内で正規に流通するモバイルバッテリーはPSE(電気用品安全法)が必須のはずなのに、商品説明にはっきり書いていないメーカーも多い。
確認のコツは——本体やパッケージにある丸型のPSEマークと、輸入/製造事業者名を見ること。商品ページに書いていなくても本体に刻印がある場合もあるけど、どこにも確認できない製品は避けるのが無難。上の表で「PSEを明記している」製品(オーム電機・オウルテック・エレコム半固体など)は、その点で安心して選びやすい。

用途別のおすすめ

まず安く「安全な素材」を試す:オーム電機 リン酸鉄 10000mAh

オーム電機 SmartComm(SMP-JV681)。リン酸鉄なのに約2,800円と安く、PSE適合も明記。約200gで10000mAh。「発火しにくい素材を一度使ってみたい」入口に一番向く。

軽さと安全の両立:オウルテック 準固体 10000mAh(PSE認証明記)

オウルテック OEC-LPB10024楽天)。準固体で約182gと軽く、タイトルにPSE認証を明記している数少ない製品。安全を分かりやすく打ち出してるのが好印象。

大容量で安全、の主役対決:CIO vs エレコム(どちらも半固体・20000mAh・67W)

ノートPCまで充電できる大容量帯だと、この2台がほぼ同スペックで並ぶ。CIO SMARTCOBY TRIO SS(約355g・約11,000円)は軽さエレコム EC-C62MN楽天/約405g・約9,500円)は安さとPSE明記。50g軽いのを取るか、1,500円安いのを取るか、という分かりやすい二択。

リチウムを使わない選択肢(変化球):エレコム ナトリウムイオン

エレコム EC-C27LBK。リチウム・コバルト不使用で寒さにも強い。ただし重量効率と評価はまだこれからなので、性能で選ぶというより「新しい方向を試す」枠。

実機で使ってるパワー系:UGREEN 145W(従来型・25000mAh)

自分が1年以上使ってるのがUGREEN 145W(PB205)楽天)。素材は従来型だけどPSE取得・保護回路つきで、実機として1年、膨らみや異常発熱もなく使えてる。145Wでノートも速い。ケーブル内蔵派ならAnker巻取り式25000mAhも定番。

今持ってるバッテリー、大丈夫?セルフチェック

  • 膨らみ・異常な発熱・変な匂いがあったらすぐ使用中止(膨張は危険サイン)。
  • PSEマークと製造年月を確認。2年以上使ってるものは買い替えを検討。
  • 高温放置しない(真夏の車内・直射日光は厳禁)。
  • 飛行機は預け入れ禁止。2026年4月24日から、日本では160Wh以下を2個まで機内持ち込み(預け入れNG)。
  • 処分は自治体の回収ルール/回収ボックスへ(燃えるゴミに出さない)。

まとめ:これからは「素材」で選ぶ

事故は増えてるけど、PSE+信頼できるメーカー+適正容量+保護回路+電池の化学で選んで、高温放置を避けて定期的に買い替える——これだけでリスクはかなり下げられる。安全最優先ならリン酸鉄、軽さと安全のバランスなら半固体・準固体(オウルテック/CIO/エレコム)、パワー重視なら従来型(UGREEN)、という素材ベースの選び分けが2026年の現実解だと思う。

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