2023年のWBC、本当に盛り上がりましたよね。僕も日本代表の活躍に連日釘付けになっていました。特に決勝戦の最後、大谷翔平選手がマイク・トラウト選手から三振を奪ったシーンは、今思い出しても鳥肌が立ちます。
そんな熱戦の最中、テレビ中継の画面に頻繁に表示されていた「打球速度」や「回転数」、そしてボールの軌道グラフィック。あれを見て「なんか凄いデータが出てるな」と感じた方も多いのではないでしょうか。実はあの中継の裏側では、最新のAI技術とトラッキングシステムがフル稼働していたみたいなんです。
今回は、WBCの観戦体験をガラリと変えた「AIデータ分析」の舞台裏について、素人なりに調べてみたことをまとめてみます。どうやら、僕たちが思っている以上にスポーツ観戦は進化しているようですよ。
- ✅ WBCで全面導入されたメジャー級のデータ分析システム「Statcast」
- ✅ ソニー傘下「ホークアイ」による高精度な画像解析技術の仕組み
- 🔮 将来の展望と他分野への応用も考察!
WBCの裏側で活躍していた「Statcast」って?
まず驚いたのが、今回のWBCでは全試合で、MLB(メジャーリーグベースボール)で導入されている最新のトラッキングシステム「Statcast(スタットキャスト)」が活用されていたという事実です。つまり、国際大会でありながら、メジャーリーグと同じ最高水準のデータ計測が行われていたんですね。
ひと昔前の野球中継といえば、解説者の方が「今のボールはキレがありましたね」とか「芯で捉えた良い当たりでした」といった感じで、経験に基づいた感覚的なコメントをしてくれるのが普通でした。もちろんそれも味があって良いのですが、Statcastの導入によって、それが客観的な「数字」としてリアルタイムに見えるようになったんです。
「キレがある」ではなく「回転数が2500rpmを超えている」、「良い当たり」ではなく「打球速度が180km/h出ている」といった具合に、誰が見ても分かる指標でパフォーマンスが評価される。これが、近年の野球観戦が面白くなっている大きな理由の一つらしいですね。
データを支える技術の主役「ホークアイ」

では、このStatcastは具体的にどうやってデータを取っているのでしょうか。その中心にあるのが、ソニーグループ傘下のHawk-Eye Innovations(ホークアイ・イノベーションズ)が提供する光学式トラッキングシステム、通称「ホークアイ」です。
ホークアイと聞いてピンときた方もいるかもしれません。テニスの試合で選手が判定に異議を申し立てる「チャレンジ」システムや、サッカーのVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)でも使われている、あの技術です。以前はレーダーを使ってボールを追尾する方式が主流だったそうですが、現在はより高精度な画像解析が可能なホークアイが主流になっています。
具体的には、球場内に設置された12台の高解像度・高フレームレートカメラが、ボールと選手の動きをミリ単位の精度で追いかけ続けているそうです。単に映像を撮るだけでなく、AI(機械学習・深層学習)がその映像データを瞬時に解析することで、これまで人間には見えなかった要素を数値化しているんですね。
あの名場面をデータで振り返る

この技術がどれほど凄いのか、WBC 2023の象徴的なシーンを例に見てみましょう。
大谷翔平 vs トラウトの最終打席
決勝戦のラスト、大谷選手が投じた最後のスライダー(スイーパー)。あのボール、テレビで見ても「えっ、そんなに曲がるの?」って思うくらい変化していましたよね。
データによると、あのボールの球速は約140km/h。そして驚くべきは、水平方向への変化量(横曲がり)が約43cm(17インチ)もあったそうです。ホームベースの幅が約43cmなので、ベースの端から端まで横切るくらい曲がったということになります。まるでフリスビーです。
ただ「凄い変化球だった」で終わらせず、「43cmも曲がったから、あのトラウトでさえバットが空を切ったんだ」ということが数字で裏付けられる。これがデータ分析の面白いところだなと感じます。
規格外のパワーも数値化
また、大谷選手のパワーもデータで証明されています。大会中に記録した最速の打球速度は約191km/h(118.7mph)。これはMLBでもトップクラスの数値だそうです。あのとんでもない飛距離のホームランも、この圧倒的な打球速度があってこそなんですね。
AIが導き出す「予測」の面白さ
ホークアイとAIの組み合わせは、単に起きたことを計測するだけではありません。「予測」の領域にも踏み込んでいます。
例えば「xBA(Expected Batting Average – 期待打率)」という指標があります。これは、打球の速度と角度から、「その打球がヒットになる確率」をAIが算出したものです。
試合を見ていると、「完璧な当たりだったのに、野手の正面をついてアウトになった」というシーンがよくありますよね。そんな時、xBAを見れば「今の打球は80%の確率でヒットになるはずだった」ということが分かります。結果はアウトでも、打者のアプローチ自体は正しかったと評価できるわけです。こういった指標を知ると、野球の見方がより深くなりそうですね。
この先どうなる?将来展望
WBCで僕たちを驚かせたこのトラッキング技術ですが、進化はまだまだ止まらないようです。今後の展望として特に注目されているのが、「骨格検知(ポーズ推定)」技術の応用です。
これまでは「ボール」や「選手の位置」を追跡するのがメインでしたが、最新のAI技術では、映像から選手の関節位置(骨格)をリアルタイムに検知できるようになりつつあります。つまり、選手の体の動きそのものをデータ化して解析する「バイオメカニクス」の領域に踏み込もうとしているんです。
これが実用化されれば、将来のスポーツ中継はさらに劇的に変わるかもしれません。例えば、ホームランが出た瞬間に、「なぜ今のボールを遠くに飛ばせたのか」が、体の回転速度や腕の角度といった具体的なデータに基づいてリアルタイムで解説されるようになるかもしれません。
また、視聴者側も受動的にデータを見るだけでなく、「自分はピッチャーのリリースポイントのデータが見たい」「私はバッターのスイング軌道が見たい」といった具合に、見たいデータを自由に選んで表示できるパーソナライズ化が進むとも言われています。SF映画のような観戦スタイルが、もうすぐそこまで来ているのかもしれませんね。
他分野への応用アイデア
スポーツの世界で鍛えられた「高精度な画像認識×リアルタイムAI解析」という技術は、他の分野でも面白い使い方ができそうです。mogucaのカテゴリに関連して、僕なりに応用アイデアを考えてみました。
アイデア1:ライブ配信 × リアルタイム骨格検知エフェクト
「ライブ配信」の分野で、この骨格検知技術を使ってみるのはどうでしょうか。例えば、ダンスや楽器演奏の配信をする際に、演者の動きをAIがリアルタイムで捉え、その動きに合わせて派手なエフェクトを自動でかけたり、アバターを同期させて動かしたりする機能です。
さらに、お手本のプロの動きと自分の動きをリアルタイムで比較して、「シンクロ率85%!」のようにスコアを表示する機能があれば、エンターテイメントとしても練習ツールとしても盛り上がりそうです。配信ソフトのプラグインとして提供されたら、人気が出るんじゃないでしょうか。
アイデア2:ガジェット × 一般向けフォーム解析アプリ
「ガジェット」の分野では、一般のスポーツ愛好家向けの活用が考えられます。プロが使っているような高度な解析を、スマホ一つで手軽に体験できるアプリやガジェットです。
例えば、スマホのカメラで自分のゴルフスイングやランニングフォームを撮影するだけで、AIが骨格を検知し、「体の軸がブレています」「腕の振りが小さいです」といった具体的な改善点をアドバイスしてくれるサービス。専用の高価な機材がなくても、ホークアイ譲りの画像解析技術でコーチングが受けられるなら、ぜひ使ってみたいという人は多いはずです。
まとめ
WBCの熱狂を支えていたのは、選手たちの素晴らしいプレーはもちろんですが、それを分かりやすく可視化してくれたAIと最新トラッキング技術の存在も大きかったんだなと改めて感じました。
感覚的な「凄い!」が、客観的な「数字」で裏付けられることで、観戦体験がまるで答え合わせのような新しいエンターテイメントに進化しているように思います。これからMLBの中継を見る時も、画面に表示されるデータにちょっと注目してみると、今までとは違った面白さが見つかるかもしれませんね。


コメント