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Tailscaleを自宅サーバー用に使ってると、そろそろ「これ無料のままで平気なの?」が気になってくる。自分がTailscale入門の記事を書いたときに載せた料金表を今見たら結構変わってたので、公式のpricingページとドキュメントを読み直して制限を洗い出した。
先に結論。個人の自宅サーバー用途なら無料枠で足りる。ただ「無料の制限=デバイス台数」だと思ってると読み違える。効いてくるのは別のところだった。
今の無料プラン(Personal)の中身
2026年8月時点の公式pricingページの記載がこれ。
| 項目 | Personal(無料) |
|---|---|
| 料金 | $0(Free forever) |
| ユーザーデバイス | 無制限(Unlimited user devices) |
| ユーザー数 | 6人まで |
| ACLグループ | 3つまで |
| タグ付きリソース | 50まで(to start) |
| Ephemeralリソース | 月1,000分 |
| 機能 | ほぼ全機能が使える(Access nearly all of Tailscale’s features) |
大事なのは2行目。自分のデバイスは台数無制限。ここが昔と一番変わってるところ。
「無料は100台まで」はもう古い情報
「tailscale 無料 制限」で調べると「100デバイスまで/3ユーザーまで」と書いてある記事がかなり出てくる。自分が最初に書いた入門記事もその表だった。
今の公式ページはユーザーデバイスが無制限で、ユーザー数が6人まで。台数の上限を気にしてTailscaleを見送ってた人は、前提がひっくり返ってると思っていい。あと以前あった「Personal Plus $5/月」は、今のpricingページには載ってない。
本当に効いてくるのは「タグ付きデバイス50」
じゃあ無料に制限がないのかというとそうでもなくて、表の「タグ付きリソース 50」がそれ。
Tailscaleのデバイスは2種類に分かれてる。人のアカウントに紐づくユーザーデバイス(ノートPC、スマホ)と、tag:server みたいなタグを付けたタグ付きデバイス(サーバー、subnetルーター、コンテナ類)。公式ドキュメントには「A device cannot simultaneously have a user and a tag」とあって、タグを付けた時点でユーザー所有ではなくなる仕組み。
この枠が50。そして面白いのが、ここは有料プランに上げても増えない。ドキュメントは「All plans include 50 tagged devices」と書いていて、超えたい場合は「If you need more than 50 tagged devices, contact our Sales team」=営業に相談、という扱いになってる。

個人でタグ付き50個を埋めるのはなかなか大変だけど、Dockerやk8sでコンテナごとにTailscaleを入れる構成だと意外と近づく。逆に言えば、家のNASとメインのMacとスマホを繋ぐだけなら全部ユーザーデバイス扱いで、この枠には手を付けないまま終わる。
無料でも使える機能が思ったより広い
「ほぼ全機能」がどこまでなのか、自宅サーバー勢が気にするやつを個別に確認した。
- Exit Node(通信を全部まとめて特定の1台経由に流す、いわゆる普通のVPN的な使い方)… 「Exit nodes are available for all plans」で無料でも使える。ただし通信先を記録する destination logging はPremium以上。
- Subnet Router(Tailscaleを入れられない機器にLAN越しで届かせる)… 「Subnet routers are available for all plans」で無料OK。プリンタやIoT機器みたいにクライアントを入れられない相手に効く。
- Funnel(Tailscaleを持ってない人にも自分のサービスを公開する)… 「Tailscale Funnel is available for all plans」で無料OK。帯域については設定変更できない上限があると書かれてるだけで、数値は明記されてない。
- キー有効期限のオフ… 自宅サーバーだとこれが一番実用的。デバイスキーはデフォルトで180日で切れるんだけど、管理画面から機器ごとに無効化できて、これも「available for all plans」。サーバーやsubnetルーター、手が届きにくいIoT機器は切っておく、というのが公式の推奨になってる。
最後のやつは知らないと詰む。半年後に外から繋がらなくなって、繋がらないから直しに行けない、というやつ。自宅サーバーを入れたら最初にここを見ておくところだと思う。
有料に上げる理由があるのはどこか
Standardが$8/ユーザー/月。無料との差はほぼ「組織で使うための機能」に寄ってる。
- ユーザー数が無制限(無料は6人まで)
- SCIMでユーザーとグループを流し込める
- ACLグループが3→10
- MDMでTailscaleを配布、MDM/EDR/XDR連携のデバイスポスチャ
- 請求・IT・監査みたいな細かいロール
Premium($18/ユーザー/月)になるとACLグループ300、ephemeralが月10,000分、JITアクセス、フローログ、ログストリーミング、優先サポートあたりが付く。この並びを見るかぎり、個人の自宅サーバー用途で有料に上げる動機はほぼない。家族と共有しても6ユーザー枠に収まる。
無料で回るなら、お金は自宅側の機材にかける
Tailscaleに払わなくて済むぶん、話は「何に繋ぐか」になる。自分が繋いでるのはUGREENのNASync DXP2800で、Intel N100でハードウェアデコードが強いのでJellyfinを載せて自宅の動画サーバーにしてる。外から家族写真のバックアップを覗く、テレビ側にネットワーク経由で流す、みたいな使い方だとこのクラスで足りてる。2ベイなのでRAID1で冗長も取れる。
→ UGREEN NASync DXP2800(Amazon)/楽天でも取り扱いあり
で、本体を買っても中身は空なのでHDDが別で要る。NASに入れるならCMRのNAS向けを選ぶ、というところだけは外さないほうがいい。SMRの機種はRAIDの再構築で不利になる。
→ WD Red Plus 8TB(CMR・NAS向け/Amazon限定モデル)
※価格も在庫もよく動くので、買う前に現在の表示を見てほしい。あと機種によってはメーカーの互換リストに載ったHDDしか受け付けない場合があるので、本体側の対応表を先に確認しておくところ。
Tailscaleでは埋まらない穴:外に常時置く1台が要るとき
Tailscaleは「自分のデバイス同士を安全に繋ぐ」ものなので、24時間動いてて自宅の停電や回線断に巻き込まれない場所が前提の用途だと、これだけでは足りない。家の回線が落ちれば家のサーバーは当然落ちる。Webサイトを常時公開したい、外向きのAPIを置きたい、常時稼働の中継役が欲しい、みたいなときはVPSを1台借りるほうが早い。
自分のブログはConoHaのレンタルサーバー(WING)で動かしてるんだけど、同じConoHaにVPSもある。月単位で借りて要らなくなったら消せる気軽さがVPSの良さだと思う。
まとめ
- 無料(Personal)はユーザーデバイス無制限・6ユーザーまで。「100台まで」は古い情報
- 効いてくる枠はタグ付きデバイス50で、これは有料でも増えない(超えるなら営業に相談)
- Exit Node / Subnet Router / Funnel / キー有効期限のオフは全プランで使える
- 有料の差は組織運用向け(SCIM・MDM・ACLグループ数・ロール)
- 個人の自宅サーバー用途なら、無料のまま機材側に投資したほうが満足度は上がると思う
導入の手順そのものはTailscale入門の記事にまとめてあるので、これから入れる人はそっちから。
※料金と制限は2026年8月に公式pricingページおよび公式ドキュメントで確認した内容。変わることがあるので、契約前に公式を見てほしい。

